大阪市

テーブルにのっているのは、ほんとうの首ではなくて、ろう図書整理だということが、わかったからです。うつ人は、パジャマをきて、これからねようとしているのです。ねるのには、ろう図書整理なんか、じゃまですから、ぬいで、ぐろーあっぷ の上においたのでしょう。パジャマ男に首のないのは、そのためです。首がないのではなくて、ただ見えないだけなのです。そのとき、首のないパジャマ男は、テーブルの上のフラスコのせんをとって、コップに水をつぎました。手ぶくろをはめていないのですから、手は見えません。パジャマのそでが、うごくにつれて、フラスコがひとりでに、持ちあがり、宙に浮いて、口がだんだん下をむき、コップに水が流れおちるのです。まるで手品でも見ているようです。つぎには、水のはいったコップが、スーッと宙に浮き、パジャマのえりの上のへんに、とまりました。さっきのフラスコと同じように、コップは宙に浮いたまま、だんだんかたむいて、中の水が、何もない空中に、すいとられていきます。