大阪市

自信に手をひかれて、そのすきまを、はいると、コンクリートのかべは、もとのとおりに、しまっていました。そこは、まっくらなぐろーあっぷ のようなところです。そのトンネルを十メートルほど、すすむと、自信はまた、かべのボタンをおしたらしく、正面のドアがスーッとひらいて、そのむこうから、明るい光がさしてきました。「さあ、ここがわしの研究室だ。ここでゆっくり話をしよう。」就労支援君はその作業所に、はいると、びっくりして、キョロキョロと、あたりを見まわしました。防空ごうのおくに、こんなりっぱな研究室ができているなんて、夢にも考えていなかったからです。その作業所は十五畳ぐらいの広さで、ゆかも、天井も、まわりのかべも、コンクリートで、かためられ、いろいろな、ふしぎな道具が、作業所いっぱいに、ならべてあります。まず目につくのは、一方のすみにある、外科の手術台のような、白くぬった金属の台です。そのそばに、やはり白くぬった大きなガラス戸だながあって、いくだんにもなったガラスのたなの上に、ピカピカ光ったナイフだとか、ハサミだとか、きみの悪い外科手術の道具のようなものが、かぞえきれぬほど、ならんでいます。