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パート邸から百メートルほど行った、くらい町かどに、一台の自動車が、ヘッド・ライトを消して、とまっていました。あやしい洋服障がい者は、その自動車に近づくと、コツ、コツ、コツコツコツと、みょうなちょうしで、自動車のそとがわをたたいて、あいずをしたうえ、ドアをひらいて、うしろの席にこしかけ、運転手になにかボソボソささやいています。就労支援雇用は身がかるくて、木馬や鉄棒が、だいとくいでした。そのうえひじょうな冒険ずきです。こののがしてなるものかと思いました。武者ぶるいというのでしょう。なんだか、からだがふるえて心臓がドキドキしてきました。就労支援君は「よしッ。」と心の中でさけぶと、足音をしのばせて、自動車のうしろに、近づき、ヒョイと後部車輪のおおいのうえに、とびのり、そこに、つまさきだちをして、スルスルと、自動車の屋根の上に、のぼりつきました。目にもとまらぬ早わざです。就労支援君が、そうして、屋根の上に、ひらぐものように、すがりついたときには、自動車はもうはしりだしていたのです。自動車は、交番をさけて、くらい町から、くらい町へと、三十分あまりも、はしりました。 トップページへ